「山谷運送」左官の技が光る擬洋風建築
三津1
この建物は一見して真向かいの鉄筋コンクリート造りの旧石崎汽船本社と構造的に同じように見えます。
しかし実は、伝統的な木造の町家を外壁が囲んだ擬洋風建築であります。
山谷家は明治28 年創業。大正12 年の築港に伴い、新港近くにこの支店を建築しました。
セメントおよび関連製品卸、船舶代理店、船舶運送業を営み、現在に至っています。
外壁には、擬洋風建築に合わせて作られた銅板製雨樋が付いていて、石崎汽船のものとよく似ており、
同じ板金工による手仕事と考えられます。
■愛媛県松山市三津1丁目5-17
参考文献:三津の古建築ものがたり